遺書
遺書というよりは君へのラブレターになってしまうかもしれないな。
愛している。
最期は君がきっと手を握っていてくれるだろう。
そうじゃなくても、ずっと一緒にいたんだ。後悔はない。
君に出会ってから毎日に彩りが増えた。
君もそうであると嬉しい。
きっとそうだろう。
どっちかが先に死ぬのかはわからなかったけどもしこっちが先だったら、
君はこの遺書を読むことになる。
寂しい思いをさせてすまない。
でも、もう私たちの思い出は、残った年月を過ごすために十分すぎるほど集めたはず。
財産という財産はなく、幾許かの土地と所有物。一才の全てを全て妻へ相続する。家族に恩義もあるが、それ以上に彼女を愛している。
彼女は私に尽くしてくれたし、私は彼女に尽くした。
横暴を許してほしい。
でも心当たりはあるだろう。
争いはしないでほしい。
さようなら。
愛している。