わさびピーナッツが好きだった
中学の同級生で、友達が付き合っていた子がいろんな味のナッツを売っている専門店をやっていた。その中でもわさびピーナッツが一番好きで、良く買って食べていた。
マリアビートルは発売してすぐ読んだと思う。
グラスホッパーも。
多感で、それでいて日々は憂鬱で。
友達は好きだけど人間は嫌いで。
部活は楽しいけど、人間関係がめんどくさくて。
そんなときに読んだエンタメ性が溢れる楽しい作品で、強く心に残っていた。
はじめてオーデュボンの祈りを読んだとき、得られるものが多くて、この作家さんが出す本は読もうと思った。
でもまさか、ハリウッドの映画になるなんて。
見た映画館は中くらいの大きさで、時間を外して行ったからお客さんは10人もいない。
本当に楽しかった。原作の記憶は曖昧で、観に行く前に軽く流し読みしたけど、大筋しか覚えてなかった。
観ていると細かい細かいところで、ああこれ伊坂さんの仕業だ、って思うところがあって、そういうところに気づいて嬉しくなってしまう。
日本語識者でいて、映画もけっこう見ていて、伊坂幸太郎さんの作品をほとんど読んでいる。そんな自分よりこの映画を楽しめる人間はそうそういないと思う。
誰が観てもすごく楽しめる作品になっていると思う。いい映画でした。
あんまりにも感動したもんだから、映画館の入ってるビルの場所がわかんなくて聞いて教えてくれた清掃のおばちゃんに謝礼(一万円)しようと思ってビルの管理会社に電話した。
自分の目に映るものを少しいいものにしたくて。